能登半島地震で被害を受けた観光地の復興に向け、観光地・宿泊事業者等の復旧・復興計画づくりや専門家派遣を支援する「能登半島地震からの復興に向けた観光再生支援事業」の2次公募が始まっています。
観光庁は2026年9月8日、令和8年度「能登半島地震からの復興に向けた観光再生支援事業」の2次公募を開始しました。
今回の対象地域は、能登半島地震で特に被害の大きかった輪島市、七尾市、珠洲市、能登町、志賀町、穴水町の3市3町です。
支援対象となるのは、自治体や関係団体、観光事業者等が一体となって行う復旧・復興計画の作成・改定、営業を再開している・再開予定の宿泊施設の経営計画づくり、それらの取組を支援する専門家派遣などです。
支出対象経費の上限は3,000万円。
2次公募の締切は、2026年9月30日17時必着です。
施設そのものを建て直すための工事費を支援する制度ではなく、観光地全体や観光事業者が今後の復旧・復興を進めるための「計画づくり」と「経営高度化」を支援する事業である点が大きな特徴です。
能登半島地震からの復興に向けた観光再生支援事業とは?
「能登半島地震からの復興に向けた観光再生支援事業」は、令和6年1月の能登半島地震で被害を受けた観光地の復興を支援する観光庁の事業です。
被災した施設の復旧や事業継続だけではなく、宿泊施設や観光施設等を含めて地域が一体となり、今後の観光戦略を再構築することが重要とされています。
そこで本事業では、自治体、関係団体、個別事業者などが一体となった、
- 復旧・復興計画の作成・改定
- 観光事業者の経営計画づくり
- 専門家派遣
などを支援します。
2次公募は2026年9月30日まで
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公募開始 | 2026年9月8日 |
| 公募締切 | 2026年9月30日 17時必着 |
| 事業開始 | 選定後・2026年10月予定 |
| 事業終了 | 2027年2月17日予定 |
| 支出対象経費の上限 | 3,000万円 |
公募期間は約3週間と長くありません。
また、選定後は2026年10月から取組を開始し、2027年2月17日までに事業を進めるスケジュールとなっています。
申請書だけでなく、費用概算、事業概要、実施スケジュール等も準備する必要があるため、早めの対応が重要です。
対象地域は石川県の3市3町
今回の2次公募では、令和6年能登半島地震で特に被害の大きかった次の地域が対象となります。
- 輪島市
- 七尾市
- 珠洲市
- 能登町
- 志賀町
- 穴水町
全国の観光事業者が利用できる制度ではなく、対象となる地域が明確に限定されています。
申請できるのは自治体・団体・民間事業者等
公募要領では、対象地域において宿泊施設をはじめとする観光事業者が参画する団体や、地域の各種団体などが申請主体として示されています。
具体的には、
- 観光事業者が参画する団体
- DMO
- 観光協会等が参画する地域団体
- 地方公共団体
- 民間事業者
などが対象となります。
地域全体の観光復興を進める事業であるため、自治体・団体・個別事業者が連携する取組が重要になります。
復旧・復興計画の作成・改定を支援
2次公募の中心となる取組の一つが、観光地や観光事業者の復旧・復興計画づくりです。
自治体や関係団体などが連携し、地域一体となった復旧・復興計画を作成・改定する取組が支援対象となります。
例えば、
- 地域の観光産業の現状把握
- 震災後の課題整理
- 観光需要の分析
- 今後の観光戦略の検討
- 地域の復興に向けたロードマップの整理
などを進めるための計画策定に活用できます。
宿泊施設の経営計画づくりも対象
地域全体の復興計画だけでなく、営業を再開している、または再開予定の宿泊施設が事業を継続するための経営計画の作成・改定も支援対象です。
震災後に営業を再開できても、客数や売上、雇用、仕入れ、今後の設備投資など、経営上の課題を抱える事業者は少なくありません。
そうした事業者が今後も継続して営業できるよう、現状分析や課題整理を行い、中長期的な経営計画を策定する取組を支援します。
専門家派遣も利用できる
復旧・復興計画や経営計画を作成する際には、専門家の知見が必要になる場合があります。
本事業では、
復旧・復興計画等の作成を支援するための専門家派遣
も事業内容に含まれています。
観光戦略、マーケティング、経営、地域づくりなど、それぞれの課題に応じて専門家の支援を受けながら計画づくりを進めることができます。
支出対象経費の上限は3,000万円
2次公募における支出対象経費の上限は、
3,000万円
です。
ただし、申請すれば一律で3,000万円が支援されるわけではありません。
選定件数や提案内容、審査結果等に応じて支援金額が決定されます。
また、公募要領では、提案内容の評価結果等によって申請時の金額から減額される場合があることも明記されています。
どのような経費が支援対象になる?
復旧・復興計画等の作成・改定に必要な経費として、例えば次のような費用が示されています。
- マーケティングに関する調査費
- 現状分析・課題整理に関する調査費
- 研修・会議開催に関する経費
- 専門家等への謝金
- 必要な機械器具等のリース・レンタル費
- 補助員・アルバイト等に関する経費
- パンフレット・リーフレット等の印刷製本費
- 研修配布資料の印刷費
- 事業成果報告書等の印刷製本費
- 事業に関係するホームページ等の作成費
- 専門家派遣に必要な経費
必要不可欠であり、観光庁からの調査委託費として措置できる経費であることが前提です。
建物の復旧工事費は対象外
この事業を利用するうえで特に注意したいのが、施設復旧そのものを行う補助制度ではないという点です。
公募要領では、次のような経費は直接経費として計上できないとされています。
- 建屋の建築費
- 増改築等の施設整備費
- 工作物等の工事請負費
- 通常の人件費や旅費
- 事務所の家賃
- 光熱水費・通信費
- ノベルティ等の作成・購入費
- 情報発信・プロモーション費
- 誘客コンテンツの造成費
「被災した宿泊施設を建て直す費用に使いたい」という目的だけでは、本事業の対象にはなりません。
他の補助金等との二重支給は不可
国や地方公共団体等から、同じ経費について別途補助金、支援金、委託費等を受けている場合、二重に支援を受けることはできません。
能登地域では復旧・復興に関連する複数の支援制度が実施されているため、他制度を利用している場合は経費が重複していないか確認する必要があります。
10月中を目途に実施計画を策定
選定された事業者等は、2026年10月中を目途に事業の実施計画を策定することが必須とされています。
また、事業期間中は少なくとも毎月1回以上、進捗状況を事務局へ報告する必要があります。
特段の事情なく報告がない場合には、事業の取組を打ち切る可能性があることも公募要領に記載されています。
申請時だけでなく、採択後の進捗管理や報告体制まで含めて準備しておくことが重要です。
選定では将来のビジョンや継続性も評価
提出された提案は、公募要領に定められた基準に基づいて総合的に評価されます。
主な選定基準として、
- 事業を実施する体制
- 災害からの復興に向けたこれまでの取組状況
- 復旧・復興に向けた事業の具体性や将来ビジョン
- 被災事業者の収益力向上の見込み
- 事業終了後の継続性
が示されています。
単に「復興したい」という内容だけでなく、事業終了後も継続できる観光地・事業者の姿まで具体的に示すことが重要です。
申請に必要な主な書類
2次公募では、主に次の書類を提出します。
- 様式1:申請書
- 様式2:概算費用積算書
- 様式3:事業概要
- 様式4:業務実施スケジュール
- その他参考資料
参考資料には、申請書に記載した地域や個別施設の現状を裏付けるデータ等を添付します。
「被害状況」「現在の課題」「今後どのように復興するのか」を、客観的な資料を使って説明できるよう準備しておきましょう。
申請はメールで提出
2次公募では、観光庁の公募ページから申請様式をダウンロードし、必要事項を記入したうえで事務局へメールで提出します。
締切は、
2026年9月30日(水)17時必着
です。
締切直前は書類の修正や関係者との確認に時間がかかる可能性があります。
地域の団体や複数の観光事業者が参加する場合は、特に早めに内容を整理することが重要です。
こんな観光事業者・地域は要チェック
- 震災後に宿泊施設の営業を再開した
- 宿泊施設の再開を予定している
- 今後の経営計画を見直したい
- 地域全体の観光復興計画を作りたい
- 観光需要や市場を分析したい
- 観光協会やDMOと連携して復興を進めたい
- 専門家の支援を受けながら計画を作りたい
- 地域の観光産業を中長期的に再構築したい
申請前に確認したい7つのポイント
- 事業を実施する地域が対象の3市3町に含まれているか
- 復旧・復興計画や経営計画の作成を目的とした取組か
- 自治体・関係団体・事業者等の実施体制を整理しているか
- 対象経費と対象外経費を区別できているか
- 他の補助金等と経費が重複していないか
- 採択後の毎月の進捗報告に対応できるか
- 9月30日17時までに必要書類を提出できるか
よくある質問
支援額はいくらですか?
支出対象経費の上限は3,000万円です。ただし、選定件数や提案内容、評価結果等に応じて支援額が決まり、申請額から減額される場合もあります。
全国の宿泊施設が利用できますか?
いいえ。2次公募では石川県の輪島市、七尾市、珠洲市、能登町、志賀町、穴水町の3市3町が対象です。
被災した旅館の建て替え費用に使えますか?
建屋の建築費や増改築等の施設整備費、工事請負費は直接経費として計上できないとされています。本事業は復旧・復興計画や経営計画の作成等を中心とした支援です。
ホームページ制作費は対象ですか?
復旧・復興計画等の作成・改定を行うために必要な事業関連ホームページ等の作成費は、対象経費の例として示されています。一方、一般的な情報発信・プロモーション費用は対象外です。
専門家への相談費用も支援されますか?
復旧・復興計画等の作成を支援する専門家派遣に必要な経費が対象となります。
採択後にも報告が必要ですか?
はい。事業期間中は少なくとも毎月1回以上、進捗状況を事務局へ報告する必要があります。
いつまでに申請すればよいですか?
2次公募の申請期限は2026年9月30日17時必着です。申請書、概算費用積算書、事業概要、業務実施スケジュール等を準備して提出する必要があります。
まとめ|能登の観光復興を「計画づくり」から支援
「能登半島地震からの復興に向けた観光再生支援事業」の2次公募は、能登地域の観光地や観光事業者が今後の復旧・復興を進めるための計画づくりを支援する制度です。
- 対象地域:石川県の3市3町
- 復旧・復興計画の作成・改定を支援
- 宿泊施設の経営計画づくりを支援
- 専門家派遣も対象
- 支出対象経費の上限は3,000万円
- 申請期限は2026年9月30日17時
本事業は、施設復旧の工事費を直接補助する制度ではなく、観光地や事業者が中長期的に復興していくための戦略・計画づくりを支援する制度です。
地域の観光協会、DMO、自治体、宿泊施設、観光事業者等で今後の復興計画を検討している場合は、対象要件や経費を確認し、締切に余裕を持って準備を進めましょう。
観光・地域復興に使える支援制度を知りたい方へ
観光分野では、施設整備、人手不足対策、DX、防災、インバウンド対応、地域づくりなど、事業内容に応じたさまざまな支援制度があります。
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参考・出典
※本記事は2026年9月16日時点で観光庁が公開している情報をもとに作成しています。対象地域、申請主体、対象経費、支援内容、実施期間、提出書類等は変更される場合があります。申請時には必ず最新の公募要領および観光庁の公式情報をご確認ください。