国内資源を活用した肥料の試作、栽培実証、成分分析、散布等に必要な機械導入などを支援する「国内肥料資源活用総合支援事業」の第5次募集が始まりました。
農林水産省は、肥料原料の海外依存を低減し、家畜ふん堆肥や下水汚泥資源など、国内にある肥料資源の利用拡大を進めています。
今回の第5次募集では、国内資源由来肥料の試作、栽培実証、機械導入等を行う取組が募集対象となっています。
申請にあたっては、肥料原料供給者、肥料製造事業者、肥料利用者などが連携し、国内資源由来肥料を継続的に利用していくための計画を作成することも重要です。
第5次募集の公募期間は、2026年9月15日から2026年10月5日午後5時までです。
さらに、今回は2026年度内に事業を完了する事業実施計画が対象となるため、機械の納期や実証期間を含めたスケジュールにも注意する必要があります。
国内肥料資源活用総合支援事業とは?
「国内肥料資源活用総合支援事業」は、農林水産省が実施する「国内肥料資源利用拡大対策事業」の一つです。
肥料原料供給者、肥料製造事業者、肥料利用者などが連携し、国内に存在する肥料資源を有効活用する取組を支援します。
日本では肥料原料の多くを海外に依存しているため、国際的な原料価格や物流、為替などの影響を受ける可能性があります。
そこで、国内で発生するさまざまな資源を肥料として活用し、肥料原料の海外依存低減と持続可能な農業生産につなげることが制度の目的です。
第5次募集は2026年10月5日まで
令和7年度補正予算による国内肥料資源活用総合支援事業では、第5次募集が実施されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 募集開始 | 2026年9月15日 |
| 募集締切 | 2026年10月5日 午後5時必着 |
| 対象となる事業期間 | 2026年度内に事業完了する計画 |
| 主な募集対象 | 肥料の試作、栽培実証、機械導入等 |
募集期間は約3週間です。
申請書類の作成だけでなく、連携事業者との調整や機械の見積取得なども必要になるため、早めの準備が重要です。
第5次募集で対象となる主な取組
第5次募集では、「国内肥料資源活用総合推進支援」として、国内資源由来肥料の利用拡大につながる取組が支援されます。
実施要領では、主に次のような取組が示されています。
- 国内資源由来肥料や原料の成分分析
- 原料の収集や肥料の運搬等に関する実証
- 国内資源由来肥料の試作
- 肥培効果や散布効率に関する栽培実証
- 土壌・水質・作物体等の分析
- 収集・運搬・加工・散布等に必要な機械導入
- 肥料原料や土壌等の分析に必要な機器導入
- 事業に必要な調査
- 取組拡大のための情報発信
単なる農業機械の購入ではなく、国内資源由来肥料の利用拡大につながる事業であることが重要です。
国内資源由来肥料の「試作」を支援
国内にある資源を肥料として利用するためには、農業現場で使用できる肥料として製品化する必要があります。
本事業では、国内資源由来肥料の試作も支援対象となっています。
原料の特性や成分を確認しながら、実際に農地で利用できる肥料を試作し、利用拡大につなげる取組が想定されています。
肥料原料を供給する事業者と肥料製造事業者が連携し、新しい肥料の商品化を目指す場合などに活用を検討できます。
成分分析や土壌分析も対象
国内資源を肥料として活用する際には、原料や肥料に含まれる成分を確認することが重要です。
本事業では、国内資源由来肥料やその原料の成分分析も取組メニューに含まれています。
また、栽培実証等に関連して、土壌、水質、作物体などの分析も対象となる取組として示されています。
肥料を作るだけでなく、分析を通じて肥料の特性や利用方法を確認し、実際の農業現場での利用につなげていく制度となっています。
ほ場での栽培実証も支援
新たに開発した肥料や、これまで利用していなかった国内資源由来肥料を普及させるためには、実際の農地で効果を確認することも重要です。
本事業では、
肥培効果や散布効率に関する栽培実証
も支援対象に含まれています。
作物の生育、施肥方法、散布効率などを実際のほ場で確認し、国内資源由来肥料を継続的に利用できる仕組みづくりにつなげます。
栽培実証を実施する場合には、所定の栽培実証計画を作成して申請書類に添付する必要があります。
肥料の散布等に必要な機械導入も対象
国内資源由来肥料は、従来使用していた肥料とは形状や散布方法が異なる場合があります。
そのため、実際の農業現場で利用を拡大するには、新たな機械が必要になるケースがあります。
本事業では、国内資源由来肥料やその原料の、
- 収集
- 運搬
- 加工
- 散布
などに必要な機械の導入も支援対象となっています。
ただし、農業機械であれば自由に導入できる制度ではありません。
国内資源由来肥料の利用拡大に必要な機械であることや、導入する機械の能力・規模が適正であることを説明する必要があります。
機械導入は1/2以内・その他の取組は定額が基本
国内肥料資源活用総合推進支援では、取組内容によって補助率が異なります。
| 取組 | 補助率 |
|---|---|
| 機械・分析機器等の導入 | 1/2以内 |
| 試作・分析・栽培実証等 | 定額 |
具体的な対象経費や補助上限、対象となる取組の範囲については、最新の実施要領や公募資料を確認する必要があります。
原料供給・肥料製造・肥料利用の連携が重要
この補助事業の大きな特徴が、関係する事業者の「連携」です。
第5次募集では、申請書類として、
肥料原料供給者、肥料製造事業者及び肥料利用者の連携を位置付けた計画
の提出が求められています。
例えば、
- 国内資源を肥料原料として供給する事業者
- 原料から肥料を製造する事業者
- 完成した肥料を実際に使用する農業者等
が連携し、原料供給から肥料製造、利用までをつなげる仕組みを構築することが重要になります。
申請に必要な主な書類
第5次募集では、主に次の書類が申請に必要です。
- 応募申請書
- 事業実施計画書および添付資料一式
- 肥料原料供給者・肥料製造事業者・肥料利用者の連携を位置付けた計画
栽培実証や機械導入など、実施する取組によって追加で必要になる書類があります。
自社だけで書類を作成すれば完了するとは限らないため、連携先との情報共有を早めに進めておきましょう。
応募先は申請者・取組内容によって異なる
第5次募集では、申請者や事業の実施範囲、取組内容によって申請書類の提出先が異なります。
都道府県協議会や地方農政局等が提出先となる場合があるため、申請前に確認が必要です。
農林水産省の募集ページでは、都道府県協議会や地方農政局等の連絡先が公開されています。
書類を完成させてから提出先を確認するのではなく、準備段階で自社の応募先を確認しておくことをおすすめします。
採択は審査・ポイント評価で決まる
申請すれば必ず補助を受けられるわけではありません。
農林水産省では、提出された事業実施計画書を審査基準に基づいて評価・ポイント付けします。
そのうえで、ポイントの高い順に採択優先順位を決め、補助金交付候補者が選定されます。
そのため、
- なぜ国内資源由来肥料の活用が必要なのか
- どのような連携体制で取り組むのか
- 国内肥料資源の利用がどの程度拡大するのか
- 機械の能力や規模は適切か
- 事業終了後も継続して取り組めるか
といった点を具体的に整理することが重要です。
2026年度内に事業完了する必要がある
第5次募集では、2026年度内に事業が完了する事業実施計画が対象です。
特に機械を導入する場合は注意が必要です。
採択後に発注したとしても、メーカーの納期が長く、年度内に納品や事業完了ができなければ、予定どおり事業を実施できない可能性があります。
申請前に、
- 見積取得
- 機種選定
- 発注時期
- 納期
- 実証期間
- 事業完了までの工程
を確認し、現実的な事業計画を作成することが重要です。
こんな事業者・農業者は要チェック
- 国内資源を利用した肥料を開発したい
- 家畜ふん堆肥などの利用拡大を進めたい
- 国内資源由来肥料の成分分析を行いたい
- 新しい肥料を実際の農地で試したい
- 肥料散布に必要な機械を導入したい
- 肥料原料の海外依存を減らしたい
- 肥料メーカーと農業者の連携を進めたい
- 地域資源を農業へ循環させる仕組みを作りたい
申請前に確認したい7つのポイント
- 国内資源由来肥料の利用拡大につながる事業か確認する
- 対象となる取組・経費を確認する
- 原料供給者・製造事業者・利用者の連携体制を整理する
- 必要な見積書や設備仕様を準備する
- 導入する機械の能力・規模が適正か確認する
- 2026年度内に事業を完了できるか確認する
- 申請書類の提出先と10月5日の締切を確認する
よくある質問
第5次募集の締切はいつですか?
2026年10月5日午後5時必着です。今回の募集は2026年度内に事業を完了する事業実施計画が対象です。
肥料を試作する取組も対象ですか?
はい。国内資源由来肥料の試作は対象となる取組の一つとして示されています。
農地で肥料を試すこともできますか?
肥培効果や散布効率に関する栽培実証なども対象となります。栽培実証を行う場合には所定の栽培実証計画が必要です。
農業機械の購入にも利用できますか?
国内資源由来肥料やその原料の収集・運搬・加工・散布などに必要な機械は対象となる場合があります。ただし、一般的な農業機械であれば無条件に対象になるわけではありません。
機械導入の補助率はいくらですか?
国内肥料資源活用総合推進支援では、機械等の導入について1/2以内、その他の対象となる取組については定額が基本となっています。詳細は最新の実施要領等をご確認ください。
1社だけで申請できますか?
本事業では、肥料原料供給者、肥料製造事業者、肥料利用者の連携を位置付けた計画が申請書類として示されています。予定する事業内容に応じて必要な連携体制を確認してください。
申請すれば必ず採択されますか?
いいえ。事業実施計画書は審査基準に基づいて評価・ポイント付けされ、ポイントの高い順に採択優先順位を決めて補助金交付候補者が選定されます。
まとめ|国内肥料資源を活用する取組は早めに準備
「国内肥料資源活用総合支援事業」は、国内に存在する資源を肥料として活用し、肥料原料の海外依存低減につなげる取組を支援する制度です。
- 国内資源由来肥料の試作
- 肥料や原料の成分分析
- ほ場での栽培実証
- 収集・運搬・加工・散布等に必要な機械導入
- 肥料原料・土壌等の分析機器導入
- 取組拡大に必要な調査・情報発信
第5次募集の締切は2026年10月5日午後5時必着です。
今回は2026年度内に事業を完了する計画が対象となるため、申請書類だけでなく、連携先との調整や機械の納期、栽培実証のスケジュールなども早めに確認しておきましょう。
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参考・出典
- 農林水産省|国内肥料資源活用総合支援事業(令和7年度補正予算)の募集情報
- 農林水産省|国内肥料資源活用総合支援事業(令和7年度補正予算(第1号))の第5次公募について
- 農林水産省|国内肥料資源利用拡大対策事業
- 農林水産省|国内資源の肥料利用の拡大について
※本記事は2026年9月16日時点で農林水産省が公開している情報をもとに作成しています。対象となる取組、対象経費、補助率、申請要件、必要書類、提出先等は事業内容によって異なります。申請時には必ず最新の公募要領、実施要領、交付等要綱および農林水産省の公式情報をご確認ください。